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=積の微分法,商の微分法,合成関数,逆関数の微分法=
○ はじめに

 このページでは,個々の関数の微分が分かるときに,それらの関数の積,商,合成関数,逆関数で表わされる関数の微分を求める方法を学ぶ.
(必要となる場面)
(1) y = x+1の微分はy’=1y = x2+1の微分はy’=2x
  ・・それでは,y = (x+1)(x2+1) の微分は?

(2) y = xの微分はy’=1y = x2 + 1の微分はy’=2x
  ・・それでは,y = の微分は?

(3) y = x3の微分はy’=3x2y = x2 + 1の微分はy’=2x
  ・・それでは,y = (x2+ 1)3 の微分は?

○ 積の微分法

 関数 y =f(x)y =g(x)の導関数が分かっているとき,これらの関数の積 y =f(x)g(x) の導関数を f(x)g(x)f’(x)g’(x) で表わす公式を求める.

◇積の微分法の公式◇

◇これを用いれば3個の積についても,公式を作ることができる.

 (fgh)’=(fg)’h+(fg)h’=(f’g+fg)h+(fg)h’
   = fgh+fgh+fgh’)
(証明)
とおくと.







例と答
(1) y = x の微分はy’=1y = x2 の微分はy’=2x
  であるから,y = x x2 すなわち y = x3 の微分は
  y’=1x2+x2x = x2+2x2 = 3x2

(2) y = x の微分はy’=1y = x3 の微分はy’=3x2
  であるから,y = xx3 すなわち y = x4 の微分は
  y’=1x3+x3x2 = x3+3x3 = 4x3

(*) 一般に,1knとなる整数kについて,
  y = xk についてy’=kxk−1 が成り立つならば,
  y = xk+1 の微分は
  y’=(xxk)’=1xk+xkxk−1=xk+kxk=(k+1)xk
  となるから,すべての正の整数nについて,
(xn)’=nxn−1 ・・・[重要公式]
の別の証明が得られたことになる.(前のページで示した証明は,二項展開を用いる証明)
(4) y = (x2+1)(x3+1) の微分を求めよ.
y’= 2x(x3+1)+ (x2+1)3x2
= 2x4+2x+ 3x4+3x2
= 5x4+3x2+2x

yを展開してから行ってもよい.
 y = x5+x3+x2+1
 y’=5x4+3x2+2x
(5) y = x(x+1)(x+2) の微分を求めよ.
y’= (x+1)(x+2)+x(x+2)+x(x+1)
= x2+3x+2 +x2+2x+x2+x
= 3x2+6x+2

yを展開してから行ってもよい.
 y = x3+3x2+2x
 y’=3x2+6x+2

■短答問題■

 次の関数の導関数を求めよ.
(空欄に半角数字を書き込むこと)
(1) y =(2x2+3)(3x2+4)
     =x3+x

(2) y =(x+1)(x+2)(x+3)

    =x2+x+


○ 商の微分法

 関数y=f(x)y=g(x)の導関数が分かっているとき,これらの商
y=

の導関数を f(x)g(x)f’(x)g’(x) で表わす公式を求める.

◇商の微分法の公式◇

y = → y’=
(証明)
とおくと.


ここで,次のように変形する






これにより




例と答
 次の関数の導関数を求めよ.

(1)  y =

 (答案) y’=

     = =
(2)  y =

 (答案) y’=

     = =


■短答問題■

 次の関数の導関数を求めよ.
(半角数字で記入すること)
(1) y =
   y’= =

(2) y =
  y’= =



(3) y =
  y’= =

(4) y =
  y’ =


    =


○ 合成関数の微分法

 関数 y = f(g(x))y = f(t)t = g(x) の合成関数と考えるとき,

=

 3個の関数を合成した場合も,同様

=
(証明)

を略したものであるが,平均変化率

有限値÷有限値の,普通の分数であるので,

=

のように変形することができる.
 次に Δx0 の極限を考えるとき,Δt0 となる(以下,不連続関数を用いた変換は考えない)ことに注意すると,

= ·
だから
=

例と答
 次の関数の導関数を求めよ.
(1) y =(2x+3)4
y =t4
  t=2x+3 とおく
--------
=
  = 4t32 =8(2x+3)3
 ・・・(答)
(2) y =(x2+x+1)3
y =t3
  t=x2 +x+1 とおく
--------
=
= 3t2・(2x+1)=3(x2+x+1)2(2x+1)
・・・(答)

■短答問題■

 次の関数の導関数を求めよ.
(空欄に半角数字を書き込むこと)
(1) y = (4x−3)5
=(4x−3)   ・・・(答)
(2) y = (x2−x+2)4

=(x2−x+2)(x−1)
   ・・・(答)

○ 逆関数の微分法

xyの関数として表わされているとき,yxで微分するには,xyで微分したものの逆数を取ればよい.(この場合,導関数がyの関数で表わされることもある.)

= (ただし,0

(証明)
 微分可能な関数では,Δx0のとき,Δy0だから,
= = =

例と答

(1) y=  (0<x)
y2=xだから
= == ・・・(答)
(2) 対数関数の微分は,次のように指数関数の微分を用いて計算することもできる.
y=log xx=ey

= ==

○ 陰関数の微分法
y=2x+1のようにyについて解かれた形になっているものを陽関数,x2+y2=1のようにxyの関係式で示され,y について解かれた形になっていないものを陰関数という.
 陰関数で表わされているものを微分するには,右の例のように両辺をそのまま微分すればよい.
 yxの関数と考えて微分する.

 x2+y2=1
 両辺をx で微分すると,
(x2+y2)=(1)

2x+(y2)=0

2x+2y=0

=−

(陰関数の微分は,yも用いて表わせばよい.)

■短答問題■

 次の関係式から を求めよ.(結果はy も用いて表わしてもよい.)
(空欄には半角英数字を書き込むこと)
(1) x2+ xy+y2=1


=

(2) 2x2−y2=1


=

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