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== 三角関数(3) ==

○ 三角関数のグラフと最大,最小

(1) y=sinx のグラフは,表1により,点をなめらかに結べば得られる.

 特に,「原点を通ること」「−1≦sin x1となること」が重要である.
表1
x ・・・ 0 ・・・
sinx ・・・ 0 1 0 ・・・
(2) y=cosx のグラフも同様にして,表2により,点をなめらかに結べば得られる.


 特に,x=0のときy=1になること」「 −1≦cos x1となること」が重要である.
表2
x ・・・ 0 ・・・
cosx ・・・ 1 0 −1 ・・・
(3) y=tanx のグラフも同様であるが,このグラフは他の2つと全く異なり,取り得る値の範囲が
−∞<tanx<
となるところが特徴.
 特に, <x<の区間だけで,y は全実数値を取る.
例と答
(1) y=2sinx+3  (-x) の最大値,最小値を求めよ.
(答案)
t=sinx とおくと,
y=2t+3 (−1t 1
t=−1 (x=−) のとき最小値 1 をとる.
t=1 (x = ) のとき最大値 5 をとる.

(2) y=cos2x−2cosx  (0≦xπ) の最大値,最小値を求めよ.
(答案)
t=cosx とおくと,

y=t2−2t (−1≦t≦1)
y=(t−1)2−1 だから

t=−1 (x= π) のとき最大値 3 をとる.
t=1 (x = 0) のとき最小値 -1 をとる.

(3) y=−2 tan2x−4 tanx  (−x) の最大値,最小値を求めよ.
(答案)
t=tanx とおくと,
y=−2t2 -4t  (−∞<t<∞)
y=−2(t +1)2+2 だから
最小値 なし
t=−1 (x =) のとき最大値 2 をとる.










■即答問題■

 次の関数の最大値,最小値を求めよ.ないときは,「 * 」と書け.(最大値,最小値を与えるxの値は省略してよい.)
(1)  y=− 3 sinx+5  (−x)
  最大値
  最小値
(2) y=cos2x+4cosx + 3  (0≦xπ)
  最大値
  最小値

(3) y=4 tan2x−4 tanx  (−x)
  最大値
  最小値




○ 三角関数の微分

 [ 要点 ]
 y=sinx → y’=cosx ・・・(1)
 y=cosx → y’=−sinx ・・・(2)

  y=tanx → y’= ・・・(3)

 なお,上の結果に合成関数の微分法を組み合わせた,次の公式はよく登場する.
 y=sin kx → y’=kcos kx
 y=cos kx → y’=−ksin kx など
(証明)
 三角関数の微分(導関数)を求めるとき,右の極限値を利用する.
(1)←:
y=sinx → y’=


= =

 ここで,cos(x +)cosx, 1
だから,y’=cosx

(2)←:も同様にして示される.
(3)←:y=tanxのとき
商の微分法により y’=
=
(重要な極限値)
=1

この式は,通常,次のような図を用いて示される.
△OAB<扇形OAB<△OACだから
ア) θ0のとき

  r2sinθr2θr2tanθ

  0sinθθtanθ

  01cosθ1 (θ0 のとき) だから

  1 (θ0 のとき)

イ)θ0のとき,θ=−t とおくと

    ==1 (θ0 のとき)

ア)イ)より,=1
例と答
 次の関数を微分せよ.
(1) y=sin 2x
  (答案) y=sin t
          t=2x
       ----------------
   ==sin t×2 =2 sin 2x
・・・(答)

(2) y=cos2x
  (答案)y=t2
         t=cosx
       ----------------
   ==2t(−sinx)=
2cosx sinx・・・(答)
(3) y=tan(3x+2)
  (答案) y=tan t
           t=3x+2
       ----------------
 ==×3 =
・・・(答)




■即答問題■

 次の関数を微分せよ.
(1) y=sin(− 3x+2)
  y’=cos(−3x+2)
(2) y=tan(2x-3)
  y’=
(3) y=cos34x
  y’=sin4xcos24x
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