(1) 2次関数 y = ax2 (ただし,a ≠0) のグラフは, i) a>0 のとき,右図1のように下に凸(谷形)のグラフになる. ii) a<0 のとき,右図2のように上に凸(山形)のグラフになる. |
図1
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(2) 2次関数 y = a(x−p)2 + q (ただし,a ≠0) のグラフは,右図3のように,y = ax2 のグラフをx 軸の正の向きにp ,y 軸の正の向きにq だけ平行移動したものになる. このとき,頂点の座標は (p,q) 軸の方程式は x = p となる. |
図3 |
※ (補足説明) ・y = a(x−p)2 + q のグラフの形(上に凸か,下に凸かなど)は aの値だけで決まる. ・p,q の値は平行移動だけに関係する. ・p,q の符号に注意すること.右の例をみよ. ・2次関数のグラフの頂点は,関数の形を |
・ a>0 のとき,下に凸(谷型) ・ a<0 のとき,上に凸(山型) 例 y =2(x−3)2 + 4 のグラフは y = 2x2のグラフを x 軸の正の向きに3,yの正の向きに4だけ平行移動したもの.頂点の座標は(3,4),軸の方程式はx = 3 |
■即答問題■ ◇正しい方を選べ◇ (1) y = 2x2のグラフは ・・・→[ 上に凸 ,下に凸 ] (2) y =−2x2のグラフは ・・・→[ 上に凸 ,下に凸 ] |
◇空欄を埋めよ◇ (※以下空欄書き込み問題では,必ず「半角数字」「1バイト文字の数字」を書き込むこと) |
○ 平方完成 2次式 ax2 + bx + c を平方完成するには, i) まずx2 の係数でくくる ・・・ 定数項は後回しにして(あとで定数が出てくるので,最後に調整する方が有利) ii) 次にxの係数の半分を持ってくる |
例 3x2 + 6x + 5 = 3(x2 + 2x) + 5 ・・・i) =3(x2 + 2 x + 1−1) + 5 ・・・ii) = 3{(x+ 1)2−1} + 5 =3(x + 1)2−3 + 5 = 3(x + 1)2 + 2 |
※ 一般に,次のように変形することができるが,この「結果」を覚える必要はなく,右図に示した「変形方法」を身につけるとよい. |
[要点] ※ 初歩的な注意:次のようにx の係数が負のときも,「2乗の部分は常に引き算」となる. x2−6x = x2−6x + 9 - 9 = (x−3)2 - 9 |
例題1 次の式を平方完成せよ. (1) 3x2−12x + 13 (与式)=3(x2−4x) + 13 =3{ (x−2)2 - 4 } + 13 |
(2) 2x2 + 6x−5 (与式) = 2(x2 + 3x)−5 =2{ (x + )2 − }−5 = 2(x + )2−−5 = 2(x + )2−・・・(答) |
例題2 次の2次関数の頂点の座標を求めよ. (1) y = x2−6x + 10 y = (x−3)2−9 + 10 = (x−3)2 + 1 |
(2) y = -2x2 + 8x + 3
y =−2(x2−4x) + 3 =−2{ (x−2)2−4 } + 3 |
○ 最大値・最小値 (1) x の値の範囲が全実数(-∞<x <∞)のとき i) a>0のとき,2次関数 y = a(x−p)2 + q のグラフは,右図4のように下に凸(谷形)のグラフで,頂点の座標は(p,q) だから, x=p のとき最小値 q をとり,最大値はない. ii) a<0のとき,2次関数 y = a(x−p)2 + q のグラフは,右図5のように上に凸(山形)のグラフで,頂点の座標は(p,q) だから, x=p のとき最大値 q をとり,最小値はない. (2) xの定義域(値の範囲)に制限があるとき 右図6のように,2次関数 y = a(x−p)2 + q のグラフを描き,「左端」「右端」「頂点」のy座標を比較して,最大値・最小値を判断する.(定義域が閉区間(両端の値が含まれる)のとき,2次関数の最大値,最小値は,いずれも存在する.) ※ 初歩的な注意として,頂点が定義域の外にあるとき,頂点の値を含めないように気をつけること. |
図4図5 図6 |
例題3 次の2次関数の最大値,最小値を求めよ. (1) y = 3(x−1)2 + 5 グラフは下に凸で,頂点の座標は(1,5) だから |
(2) y =−4(x−2)2−6
グラフは上に凸で,頂点の座標は(2,-6) だから |
(3) y =−x2 + 2x + 3 (2≦x≦3)
y =-(x2−2x) + 3 =−{ (x−1)2-1 } + 3 |
(4) y = x2−5x + 4 (0≦x≦3)
y =(x2−5x) + 4 = (x−)2- |
■即答問題■
次の2次関数の最大値,最小値を求めよ. |
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