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== 対数関数(2) ==
○逆関数のグラフ
例1
y=2x+1・・・(1)を x について解くと,
x=・・・(2)
xy を入れ替えると
y=・・・(3)

このとき,(3)を(1)の逆関数という.
例2
y=ex・・・(1)を x について解くと,
x =loge y・・・(2)
xy を入れ替えると
y=loge x・・・(3)
このとき,(3)を(1)の逆関数という.
一般に
y=f(x)・・・(1)を x について解いたものを
x=f−1(y)・・・(2)と書く.
xy を入れ替えると
y=f−1(x)・・・(3)
このとき,(3)を(1)の逆関数という.
(1)と(2)は同じものであるが(2)と(3)は逆関数
(1)と(2)’は逆関数であるが(2)’と(3)は同じもの
(どちらが先でもよい)


y=f(x)を変形して x=f −1(y)にしたら逆関数になるわけではない.上の(1)(2)は同じもの(いつでも元に戻せる.)
xy を入れ替えたときに対応関係が逆になる.(当然のこと)

xy を入れ替えると縦と横が入れ替わるので,y=x の直線に関して対称移動したものになる.
○逆関数の性質

ある関数 y=f(x) と,その逆関数 y=f −1(x) とでは
(1)グラフはy=x の直線に関して対称になる.
(2)定義域と値域が入れ替わる.

(1)(2)は同じものなので
y=f(x)  (a≦x≦b) (α≦y≦β)・・・(1)のとき
x=f −1(y) (a≦x≦b) (α≦y≦β)・・・(2)
xy を入れ替えると
y=f −1(x) (a≦y≦b) (α≦x≦β)・・・(3)

○対数関数のグラフ

対数関数 y=loga xは,指数関数 y=ax の逆関数となっているので,各々のグラフはy=x の直線に関して対称となっている.

また,y=ax(-∞<x<∞)(0<y<∞)の定義域と値域を入れ替えると,y=loga x(0<x<∞)(-∞<y<∞)

特に,y=axがつねに(0,1) を通るのに対応して,y=loga xはつねに(1,0) を通る.
[重要]
y=ax値域はy>0→ y=loga xの定義域はx>0
指数関数とその逆関数となっている対数関数のグラフを2,3示すと右図のとおり.

○対数関数の微分

底が e (自然対数の底 2.71828・・・)の対数は,自然対数と呼ばれ,底を省略してよい.log xlogex を表わす.

[要点]
y=log x(底はe)y’=

(証明)
y=log xのとき,

y’==


== (2) =


y=logax の微分は,底の変換をすれば上の公式でできる.)
[指数関数,対数関数の微分に使う重要な極限値]
次の3つの極限は,互いに同値であることが知られている.(証明略)

(1)=1

(2)=1

(3)(1+h)=e
例と答
次の関数を微分せよ.(各々の定義域は真数が正の数となる区間とする.)
(1)y=log3x y=log3+logxy’=

(別解)
t =3xとおくと
y=log t
t =3x
-------------
合成関数微分法により

= =×3=×3=


(2)y=log10xy = y’=

(3)y=log(x2+x+1)
y=log t
t =x2+x+1
-------------
合成関数微分法により

= =×(2x+1)=



(4)y=log|x|
) x > 0のとき,y’=

) x < 0のとき,y=log(-x)
y=logt
t =-x
-------------
合成関数微分法により

= =×(-1)=×(−1)=


以上から,y=log|x|→y’=

ただし,グラフは次のようになっている.

■短答問題■
次の関数を微分せよ.(各々の定義域は真数が正の数となる区間とする.)
(1)y=log(2x+3)




(2)y=log2x y’=

(3)y=x logx
log x+

(4)y=(log x)2



(5)y =log (0 < x < 1)



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