[記号] ax=bのときxをa , bで表わすために新しい記号を導入し,x=logabで表わす. (対数の英語:logarithmを記号にしたもの) [用語] logabについて,aを底,bを真数,logabを対数という. |
対数の記号が表わしている内容は,指数の形に直してみれば分かる. 例1 (1)4=log216⇔24=16 (2)2=log10100⇔102=100 (3)log264=6⇔26=64 |
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○ 指数と対数の書き換え 「指数の形」で書かれた式を「対数の形」に直すときも,逆に「対数の形」で書かれた式を「指数の形」に直すときも,次のように対応させればよい.(指数,対数とも左辺,右辺のどちらにあってもよい.)
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例2 次の式を対数の形で表せ. (1)34=81⇔4=log381 (2)5−2=⇔−2=log5 (なお,この問題で,2=log525は,式自体は正しくても,指数を対数に書き換えたものとはならないので不可) (3)()5=⇔5=log (なお,この問題で,5=log232は,式自体は正しくても,指数を対数に書き換えたものとはならないので不可) |
■即答問題■ |
○対数の計算 底a>0,a≠1,真数>0のとき,対数は次の性質を満たす. 計算に当たっては,(3)〜(6)で変形し,(1)(2)に持ち込むとよい.
※初歩的な注意 (3)の公式は,積の対数が,対数の和に等しいことを表わしており,次のような公式はない: ×logaMN=loga(M +N) ×loga(M + N)=logaM logaN (4)についても同様 ×=loga(M−N) ×loga=loga(M−N) |
[解説] (1)←:a0=1だからloga1=0が成り立つ. (底が何であっても,真数が1なら対数は0となる.) (2)←:a1=aだからlogaa=1が成り立つ. (底が何であっても,真数と底が同じなら対数は1となる.) (3)←: apaq=ap+qだからloga(apaq)=p+q ここで, p=logaM⇔ap=M q=logaN⇔aq=N とおくと,
logaMN=logaM + logaN
(4)←: ap/aq=ap−qだからloga(ap/aq)=p−q ここで, p=logaM⇔ap=M q=logaN⇔aq=N とおくと,
loga=logaM−logaN
※歴史的には,天文学の計算 (天文学的数字!という) において掛け算,割り算を足し算,引き算に直せるところが対数の魅力であったが,初歩的な計算練習では(3)(4)の変形で,和差を積商に直すと簡単になることが多い. なお,対数方程式,対数不等式ではほとんどの場合,和差を積商に直すとうまくいく. (5)←: (ap)n=apnだからloga(ap)n=pn ここで, p=logaM⇔ap=M とおくと,
logaMn = n logaM
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(底の変換公式)a , b , c>0,a , c≠1とする
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(6)←: logab=xとおくとax=b cを底とする両辺の対数をとると logcax=logcb x logca=logcb logab logca=logcb ゆえに logab = |
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例3 (1)log10100=log10102 (5) ↓ =2 log1010 (2) ↓ =2 (2) log26 + log2 (3) ↓ = log2(6×)=log216 =log224 (5) ↓ = 4 log22 (2) ↓ =4 (3) log336−log34 (4) ↓ = log3 = log39 =log332 (5) ↓ = 2log33 (2) ↓ =2 |
(底の変換公式) (4) log23 log34 (6) ↓ = log23 =log24=log222 (5) ↓ =2 log22=2 (5) log2781 (6) ↓ = = (5) ↓ = (2) ↓ = (6) log0.54 (6) ↓ = = (5) ↓ = (2) ↓ =−2 |
■数分問題■ | (底の変換公式) |