この単元では,積の微分法の逆計算を考えることにより,不定積分の計算を式の形を変えて行うことを学ぶ. 以下,見やすくするために f(x),g(x) を f,g で表わすと,積の微分法の公式は,次のとおりであった. これを「部分積分法」の公式という. |
例1 ∫ x sinx dx ------ x を微分すると 1 になる(次数が下がる)ことに着目する.
∫ xsinx dx=−xcosx+ ∫ cosx dx この右辺の形ならば,積分計算が簡単にできる. (右辺)=−xcosx +sinx+C ※ 一般に,整式を微分すると次数が下がる(計算しやすくなる)ので,(整式)×(他の関数) の形の積分は,整式の方を微分する側:f(x) に選ぶと,計算が簡単になることが多い. |
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例2 ∫ ex sinx dx ------ ex や sinxは,何回微分しても消えないが,I=…−I のように同じ式が再度登場すれば,方程式と考えて解ける. 同じ式が登場するまで,2回以上部分積分法を使う.このとき,1つの関数(例えば sinx)は,微分する側ばかりに選ぶことが重要.途中で入れ替わると(微分してから積分するなど)何も残らないので注意.
∫ exsinx dx=−excosx+ ∫ excosx dx 第2項について,もう一度,部分積分法を実行する.
代入すると, ∫ exsinx dx=−excosx+exsinx−∫ exsinx dx ここで,I=∫ exsinx dx とおくと, I=−excosx+exsinx−I ・・・(※ この式では I は任意定数を含めた式とする.) 2I=−excosx+exsinx I= +C ・・・(※により +C が付く.) |
(別解)
∫ exsinx dx= exsinx− ∫ excosx dx 第2項について,もう一度,部分積分法を実行する.
∫ excosx dx = excosx+ ∫ exsinx dx 代入すると, ∫ exsinx dx= exsinx−( excosx+∫ exsinx dx ) ここで,I=∫ exsinx dx とおくと, I= exsinx−excosx −I 2I= exsinx−excosx I= +C (ダメな例) ∫ exsinx dx= exsinx− ∫ excosx dx = exsinx−( exsinx− ∫ exsinx dx) = 0+∫ exsinx dx |
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例3 部分積分法で計算するには,f(x),g(x) のうち,不定積分が容易に求まらない方は,微分する側に選ぶほかない. 特に,対数関数 logx は,(整式との積になっていても),微分する側に選ぶとできることが多い. ∫ x logx dx ------ logx を微分する側に選ぶ.
∫ x logx dx= logx− ∫ dx = logx− ∫ dx =logx− +C |
例4 次のように,1 との積に分けるとできるものがある. ∫ logx dx=∫ 1·logx dx ------ logx を微分する側に選ぶ.
∫ logx dx= xlogx− ∫ dx = xlogx−x+C |
短答問題 次の関数の不定積分を求めよ.[半角数字(=1バイト文字)を書き込む](計算用紙:必要) |
(2) (3) |