変数を置き換えて,積分計算を行う方法を置換積分法という.置換積分法は,合成関数の微分法の逆の計算となっている.
[要点]
※ 積分記号∫
f(x)dx の中に書かれる f(x) を被積分関数という.右の例のように (1) 被積分関数 (2) dx の各々を新しい変数を用いて,元の式と等しい式に置き換える. (3) 結果は元の変数xで表わす. |
例 ∫ (2x+1)3dx ------ 2x+1=t とおくと, 被積分関数は,(2x+1)3=t3 =2 だから dx= ------ ∫ (2x+1)3dx = ∫ t3 = ∫ t3dt = +C = +C |
例と答 (1) ∫ e3xdx ------ 3x=t とおくと, 被積分関数は,e3x=et =3 だから dx= ------ ∫ e3xdx = ∫ et = +C=+C (2) ∫ sin 3x dx ------ 3x=t とおくと, 被積分関数は,sin 3x=sin t =3 だから dx= ------ ∫ sin 3x dx = ∫ sin t = +C=+C (*) 一般に,∫ f(x)dx=F(x)+C のとき, ∫
f(ax+b)dx=F(ax+b)+C
が成り立つ.(ただし,a≠0)例
∫
(ax+b)ndx=+C
∫ eax+bdx=eax+b+C ∫ sin(ax+b)dx={−cos(ax+b)}+C ※ cos(ax+b),tan(ax+b) も同様. |
(3) ∫ sin3xcosx dx ------ sin x=t とおくと, sin3x=t3 ※ cos xは保留にしておく. =cos x だから dx= ------ ∫ sin3xcosx dx = ∫ t3 cos x ※ cos xは約分で消える. = ∫ t3 dt = +C = +C (4) ∫ dx ------ x2+1=t とおくと, ※ 2xは保留にしておく. =2x だから dx= ------ ∫ dx= ∫ ※ 2xは約分で消える. = ∫ =log|t|+C=log(x2+1)+C (x2+1>0 だから,絶対値記号は不要) (*) 一般に,分子が分母の微分となっているとき, ∫
dx=log|f(x)|+C
が成り立つ.例
∫
dx=log|sinx|+C
∫ dx=log(ex+1)+C |
短答問題 次の不定積分を計算して空欄を埋めよ.[半角数字(=1バイト文字)を記入](別途,計算用紙が必要) (1) |
(1) 4x−5=t とおくと, =4 だから dx= ------ ∫ (4x−5)6dx = ∫ t6 = +C=… |
(2) |
(2) 3x+2=t とおくと, =3 だから dx= ------ ∫ = ∫ t−4 =− +C=… |
(3) |
(3) 2x+3=t とおくと, =2 だから dx= ------ ∫ cos(2x+3)dx = ∫ cost = +C=… |
(4) |
(4) 2x+π=t とおくと, =2 だから dx= ------ ∫ tan(2x+π)dx = ∫ =− ∫ dt =−log|cost|+C=… |
(5) (計算:やや長い) |
(5) =tとおくと, x+1=t2,x=t2−1 だから =2t,dx=2tdt ------ ∫ x dx = ∫ (t2−1)t · 2t · dt = 2 ∫ ( t4−t2) dt = 2 ( −)+C=… |
(6) |
(6) log x=t とおくと, =,dx=xdt ------ ∫ dx = ∫ xdt= ∫ t dt =+C=… |
(7) |
(7) (e2x+e−2x)’=2(e2x−e−2x) だから ∫ dx = ∫ dx =log(分母)+C=… |
(8) |
(8) (x2+2x+4)’=2x+2 だから ∫ dx =log(分母)+C=… |