10 行列式1
決定する determine という動詞の派生語 determinant は,日本語では行列式と訳され,n次正方行列が正則であるか否かを判定できる式である.行列式の数学的な定義はこみいったものであるが,広く用いられる便利な式である. 以下において解説する行列式は,行列 A の n2 個の変数 aij のある n 次式で,その式の値が 0 であるか否かによって行列 A が正則であるか否かを判定することができる. ○ 行列式を用いて正則を判定する例 (解説は後に述べる) n = 2 のとき,2次正方行列 の行列式を, あるいは で表わし,
と定義する. 実際の数値で行列式の値を求めてみると,
は逆行列をもち,正則行列であるが,
は逆行列をもたず,正則行列でないといえる. |
例1 例2 |
■確認テスト■ (それぞれ,半角数字=1バイト文字で答えよ) 1. 次の行列式の値を求めよ. |