5 連立1次方程式1 ○ 行列 は,その列ベクトル を用いて, と書くことができる. また,行ベクトルを用いて と書くこともできる. |
○ n個の未知数に関するm個の1次方程式からなる連立1次方程式
…(*) この連立方程式は,行列 ベクトル を用いて, と書くことができる. このとき,Aを連立方程式の係数行列,を未知数(ベクトル),を右辺という. |
例1 鶴の頭数をx1,亀の頭数をx2,鶴と亀の頭数の合計をb1,鶴と亀の足の数の合計をb2とするとき,いわゆる「鶴亀算」は次の連立方程式に直せる. x1+x2=b1 2x1+4x2=b2 この連立方程式は,ベクトルを用いて,次のように表わすことができる. ここで とおけば,この方程式は と書ける. 例2 狐の頭数をx1,狸の頭数をx2,狐と狸の頭数の合計をb1,狐と狸の足の数の合計をb2として,「狐狸算」というものを考えると,次の連立方程式で表せる. x1+x2=b1 4x1+4x2=b2 この連立方程式は,行列とベクトルを用いて,次のように表わすことができる. ここで とおけば,この方程式は と書ける. 例3 りんごの個数をx1,かきの個数をx2,みかんの個数をx3,りんご・かき・みかんの個数の合計をb1,りんご1個の価格を150円,かき1個の価格を120円,みかん1個の価格を80円,合計の価格をb2, りんご1個の重さを200g,かき1個の重さを130g,みかん1個の重さを70g,合計の重さをb3とするとき, x1 +x2 +x3=b1 150x1+120x2+80x3=b2 200x1+130x2+70x3=b3 この連立方程式は,行列とベクトルを用いて,次のように表わすことができる. ここで, とおけば,この方程式は と書ける. |
○ 連立方程式の右辺の定数項からなる列ベクトルを係数行列の右側に付け加えたm×(n+1)行列 を拡大係数行列という. 既知の値をすべて定めると方程式が定まるが,既知の値の一覧表が拡大係数行列となっている. 例4 連立1次方程式 x1+x2=5 4x1+5x2=23 の拡大係数行列は 例5 連立1次方程式 x1+4x2+7x3−x4=4 2x1 +8x3−2x4=5 3x1+6x2 −3x4=6 を行列で表わすと, このとき,係数行列は, 拡大係数行列は, である. (※この連立方程式は,未知数が4個,方程式が3個となっていて,不定解になる形であるが,ここでは拡大係数行列という用語を解説しているのであるから,不定解になることは重要ではない) ○ 連立1次方程式 …(*) の1次結合で表わすこともできる: この場合,ベクトルをの1次結合で表わしたときの係数が連立方程式の解となる. 例6 イカの頭数をx1,タコの頭数をx2,イカとタコの頭数の合計をb1,イカとタコの足の数の合計をb2とし,「イカ・タコ算」というものを考えると x1+x2=b1 10x1+8x2=b2 この連立方程式は,次のように表わすことができる. とおけば |
■確認テスト■
(半角数字で答えよ)
|