◇累次積分◇区間 a≦x≦b において不等式 p(x)≦y≦q(x) を満たす xy 平面上の領域を K とする.K 上で定義される関数 z=f(x , y) ≧0 について,不等式 0≦z≦f(x , y) を満たす xyz 空間の領域(立体)を M とするとき,立体 M の体積を求めることを考える.集合記号で表わすと次の領域となっている:
K={(x,y)|a≦x≦b,p(x)≦y≦q(x)}
M={(x,y,z)|(x,y)∈K,0≦z≦f(x,y)} 図2,図3において桃色で示した x=t の断面の面積を M(t) とすると,
···(1)
一方,領域 K 上の重積分は
···(2)
で表わされるから,
※ 上の説明では f(x , y) ≧0 の場合について,体積を求めたが,f(x , y) が必ずしも正または0とは限らないとき重積分は体積を表わさないが,累次積分で求められる事情は同じである. ※ 図4のように,領域 K の形によっては,y=u の断面から求める方が求めやすいことがある.この場合は, |
図1
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例1 右図のように,0≦x≦a,0≦y≦b,0≦z≦c の区間にある直方体の体積は V=abc であるが,これを重積分で確かめると ア) x=t の断面で切ると , |
例2 K={ (x,y)| 0≦x≦1,0≦y≦1 } M={ (x,y,z) | (x,y)∈K , 0≦z≦xy } で定義される立体の体積は,
一般に,f(x,y)=g(x)h(y) のように,積の形に変数分離できるときは
が成り立つ.例 だから |
z=xy の曲面 |
例3 右図のように,y=2x ,x 軸および直線 x=1 とで囲まれた図形上で定義される2変数関数 z=xy と平面 z=0 とで囲まれる立体の体積 すなわち, K={ (x,y)| 0≦x≦1, 0≦y≦2x } M={ (x,y,z) | (x,y)∈K , 0≦z≦xy } で定義される立体の体積は, ア)x軸に垂直な断面で切り,yで積分した後にxで積分すれば イ)y軸に垂直な断面で切り,xで積分した後にyで積分すれば |
例4 右図のように,y=x と y=x2 とで囲まれた図形上で定義される2変数関数 z=x+y と平面 z=0 とで囲まれる立体の体積 すなわち, K={ (x,y)| 0≦x≦1, x2≦y≦x } M={ (x,y,z) | (x,y)∈K , 0≦z≦x+y } で定義される立体の体積は, ア)x軸に垂直な断面で切り,yで積分した後にxで積分すれば イ)y軸に垂直な断面で切り,xで積分した後にyで積分すれば |
問題 (※半角数字=1バイト文字で答えよ) (1) ,K={ (x,y)| 0≦x≦1,0≦y≦1 } を計算せよ. |
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(2) ,K={ (x,y)| 0≦x≦1,1−x≦y≦1 } を計算せよ. |
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(3) 原点を中心とする半径 1 の円の上半分の領域を D とするとき, ,D={ (x,y)| x2+y2≦1,0≦y } を計算せよ. なお,必要ならば次の公式を用いよ. cos2t=(cos 2t+1) (半角公式) cos4t=(cos2t)2={(cos 2t+1)}2 ={cos22t+2cos 2t+1} ={(cos 4t+1)+2cos 2t+1}=cos 4t+cos 2t+ |
x=sin t とおくと,dx=cos tdt
(原式) |
◇極座標◇極座標 x=rcosθ,y=rsinθ により,rθ 平面上の領域 H を xy 平面上の領域 K に写す変数変換を考えると,dxdy=|J|drdθ
において, だから が成り立つ. |
上の問題(3)は極座標 x=rcosθ,y=rsinθ を用いると,次のように計算できる |
例 上の例2の結果を用いて次の式が導かれる.
xy 平面全体(−∞<x<∞,−∞<y<∞の範囲)を領域 K とするとき
…(1) さらに …(2)[ ガウスの公式 ] …(3) |
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||||
(解説) dxdy=|J|drdθ
となるから,
|J|=r ここで とおくと (左辺)=I2 (続く→) |
(右辺) ここで に注意すると (右辺) 以上から,
→(2)
さらに,(3)の左辺において,とおいて置換積分を行うと,
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次の(1)(2)を満たす関数 f(x) を確率密度関数(または,確率分布関数)という.
(1) 区間−∞<x<∞ において,つねに f(x)≧0 (2) (半角数字=1バイト文字で答えよ) 問題 (1) 関数 が確率密度関数を表わすように,定数Aの値を定めよ. |
上の(3)の式において,a= とおくと, より |
(2) 関数 が確率密度関数を表わすように,定数Bの値を定めよ. |
において, とおくと,
より |
(3) 原点を中心とする半径1の円で0≦x, 0≦yを満たす領域をDとするとき, , D={(x,y)| x2+y2≦1, 0≦x, 0≦y} を極座標 x=rcosθ,y=rsinθを用いて計算せよ. |
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