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== 増減表,極値 ==

○ 増減表とは

 右図1のようなグラフを書くときは,あらかじめ次のような増減表を作り,これに基づいてグラフを描く.

 増減表は,グラフの要約となっており,増減表ができればグラフの概形(だいたいの形)は容易に描ける.

表1
x   1   2  
y’ + 0 0 +
y 5 4
図1
○ 増減表の作り方
  y’ は接線の傾きを表わすので,y’>0 ならばyは増加,y’<0 ならば y は減少となる.
(1) 微分してy’ を求める.
(2) y’=0 となるxの値を求める.
(3) xy’符号y値と矢印
   からなる3行の表を作る.
   表は左から右,上から下へ見るものとする.
(4) (2)で求めたxの値を区切り目に入れる.
(5) y’ の符号を書き込み,y’>0ならばyは増加(上向き矢印),y’<0ならばyは減少(下向き矢印)とする.
(1) y’の符号が増加から減少に「変化する」ところは極大であるといい,そのときのyの値を極大値という.
(2) y’符号が減少から増加に「変化する」ところは極小であるといい,そのときのyの値を極小値という.
(3) y’=0であっても,y’の符号が正から0を通って正に戻るような場合(y’符号が変化していないところは)極値ではない
(4) 絶対値付の関数のように「折れ目」「角点」のある関数では,y’ が定義されないxの値が存在する場合がある.この場合でも,y’の符号が変化していればその点は極値(極大値と極小値を合わせて極値という)となる.
y’ は接線の傾きを表わす.

(5) y’の符号の簡単な求め方

A) 簡単な値を実際に代入する方法
上の表1において,
x<1のときのy’の符号を求めるには,
y’=6(x−1)(x−2) に,例えばx=0 を代入するとよい.
x=0 のとき,y’=6×(-1)×(-2)=12>0

1<x<2のときのy’の符号を求めるには,
y’=6(x−1)(x−2) に,例えばx=1.5を代入するとよい.
x=1.5 のとき,y’=6×0.5×(-0.5)<0
B) 最高次の項の係数を見る方法
上の表1において,
y’=6(x−1)(x−2) は2次式で最高次の項の係数は正
y’の符号を右端を+として,順次符号を変えて埋めていく.(右から,+0-0+)

y’ が重解を持つときは,その重なりに応じて
2重ならば2回変化(=変化なし),3重ならば3回変化(=1回変化)とする.
例と答

(1) y=3x3−9x2の増減を調べて極値を求めよ.

(答案)
y’=9x2−18x=9x(x−2)
y’=0 となるxの値は,x=0 , 2

x   0   2  
y’ + 0 0 +
y 極大値
0
極小値
−12
x=0 のとき,極大値 y=0 をとる.
x=2 のとき,極小値 y=−12 をとる.

(2) y=−x4+2x2の増減を調べて極値を求めよ.

(答案)
y’=−4x3+4x=−4(x+1)x(x−1)
y’=0 となるxの値は,x=−1 , 0 , 1

x   −1   0   1  
y’ + 0 0 + 0
y 極大値
1
極小値
0
極大値
1
x=−1 , 1 のとき,極大値 y=1 をとる.
x=0 のとき,極小値 y= 0 をとる.
(3) y=x4−4x3の増減を調べて極値を求めよ.

(答案)
y’=4x3−12x2=4x2(x−3)
y’=0 となるxの値は,x=0 (重解), 3

x   0   3  
y’ 0 0 +
y 0 極小値
−27
極大値 なし.
x=3 のとき,極小値 y=−27 をとる.
(4) y=x5+の増減を調べて極値を求めよ.

(答案)
y’=x5−2x4+x3=x3(x−1)2
y’=0 となるxの値は,x=0 (三重解), 1(重解)

x   0   1  
y’ 0 + 0 +
y 0
極大値 なし.
x=0 のとき,極小値 y=0 をとる.
(5) y=x logx 増減を調べて極値を求めよ.

(答案)
y’=1·logx +x·=logx+1
y’=0 となるxの値は,x=

x  0    
y’ × 0 +
y ×
極小値
極大値 なし.
x= のとき,極小値 y=− をとる.
(6) y=xexの増減を調べて極値を求めよ.

(答案)
y’=ex +xex=ex(1+x)
exはつねに正.y’=0 となるxの値はx=−1

x   −1  
y’ 0 +
y
極小値
極大値 なし.
x=−1 のとき,極小値 y=− をとる.

■即答問題■

 次の各関数の増減表を作れ.(計算用紙:必要)

はじめに,解答箇所を選び,次にその箇所に入る数値や記号を右から選べ.合っていれば確定し,間違っていれば元に戻るので,正誤が分かるようになっている.)

(1) y=x3−3x

x      
y’
y


(2) y= +

x      
y’
y

(3) y=e x2+2x

x    
y’
y

(4)  y=log(x2+1)

x    
y’
y

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