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文学部・文学研究科

文学研究科公開科目

西洋古代文化史特講I

ギリシア人と異民族
ヘレネスというギリシア人の民族意識が何時、どのような状況の下で形成され、どのような機能を果たしていたのか。また、民族意識の下部を構成するアテナイ人とかラケダイモン人などの住民意識も何時、どのような状況の中で形成され、どのような機能を果たしていたのか。さらにはイオニア人とかドーリス人といった方言によって区分される種族意識が同じく何時、どのような状況で形成され、どのような機能を果たしていたのかを講義で探求してみたい。

今考えている基本的な方向はこれらの意識は前6~5世紀に、ポリスが政治的に強大化し、地域やギリシア世界の中でのポリスのヘゲモニーが求められる時代に形成されたのではないか、と考えている。移住し先住民を征服したドーリス人という種族意識もメッセニア戦争の読み直しやそれと関連するティルタイオスの時代の再定義によってその形成時期が今日大きく揺らいできている。イオニア人という種族意識もエーゲ海での覇権を求めるアテナイと決して無関係ではなかった。

ギリシア人の民族意識が他民族に対して排他的な姿をとるようになるのはペルシア戦争と決して無関係ではなく、むしろペルシアとの対立を利用してその脅威を誇張しアテナイ、或いはスパルタといった強大なポリスの指導の下にギリシア諸都市を統合しようとする政治的目論見と結びついていたのである。

ポリスの住民意識も、さらにはエトノスの住民意識も政治的統合の試みと関係がある。

扱う時代は前六世紀から前四世紀第一三半期までとする。